NATURAピープル / 杉田協士(映画監督)

 
NATURA ゲスト名
「生きてる間、ずっとつづけてく選択の歴史が残ると思ってます。」
 
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杉田協士

杉田協士

●職業:

映画監督


●最近の活動:
写真短歌集『歌 ロングロングショートソングロング』(短歌:枡野浩一、写真:杉田協士)が雷鳥社より発売中

www.raichosha.co.jp/
book/photo/ph61.html

映画『ひとつの歌』が10月上旬に渋谷・ユーロスペースにてレイトショー決定
kyoshi.petit.cc
www.boid-newcinema.com/hitotsunouta/

 

【Q1】写真を撮ったときのエピソードを教えてください。

※上段左から


【1枚目】『ひとつの歌』宣伝会議のときの写真です。写ってるのは配給を引き受けてくれたboidの社長・樋口泰人さん。10年以上前になりますが、映画の仕事で初めて関わったのは、衣装デザイナーのひびのこづえさんを追いかけたドキュメンタリー映画の撮影でした。そのときの編集が樋口さんでした。その後も、数作品の仕上げで樋口さんのお宅にお邪魔して、編集作業を後ろから見ていたのを覚えてます。娘さんがいて、その娘さんは当時、人のオーラを見分ける力を持っていて、樋口さんはティッシュの箱と同じくらい薄いと言われてました。そのあと自分も見てもらったら、ティッシュ一枚と同じくらいと言われました。


【2枚目】ぬいぐるみが子どもの頃から好きです。学校からの帰り道などで、捨てられたり落ちてたりするぬいぐるみを見つけると、持ち帰って、洗って、枕元に並べてました。子どもの頃は、学校でえばっていたので、まさか自分がぬいぐるみを好きだなんて誰にも言えずに、友だちを部屋に呼ぶことができませんでした。


【3枚目】よく通りかかる八百屋を撮りました。長い年月をかけて、この人は、この場所に、こうやって椅子を置いて、駅からの帰りの人たちに声をかけるようになったんだなと、それが一目でわかるような、でも一目ではわからない時間がそこにあるのを、見るのが好きです。


【4枚目】実家から最寄り駅まで歩く途中の道です。ここの区画整理であれこれ動きまわったのが、父の最後の仕事でした。

 

※下段左から


【5枚目】実家からの最寄駅にあるデパートでの写真です。女の子が、指でフレームを作ってあちこちを見回していて、そのあとこちらを見たので、本物のカメラを取り出して撮ってみました。ハッ! となってました。

 

【6枚目】ただいまmonogram 2階ギャラリーで開催してる二人展「うた」の飾りが終わったところです。写ってるのは一緒にこの展示を作った鈴木理絵さんです。鈴木さんに、ポラロイドなど、写真にまつわる何もかもを教わりました。『ひとつの歌』は、ポラロイド写真を撮る青年と、monogramに務める女の子の物語です。鈴木さんはその映画のスチール担当です。

 

【7枚目】池袋で終電がなくなるまで飲んで、高円寺まで歩いて帰る途中の道で撮りました。2時間かかりました。写ってるのは山手通りから見た目白通りです。この先に行くと練馬に着きます。

 

【8枚目】左が、2010年のキャノン写真新世紀で優秀賞を受賞した柴田寿美さんです。すみすと呼んでます。3年くらい前に、monogramのミヤモトタクヤさんと一緒に、映像ワークショップを不定期で開催していたことがあって、あるとき、会社勤めの社会人向けにやることになりました。平日の夜遅くに時間を設定したら、制服姿の高校生が来ました。すみすでした。その後、一緒に長編映画作りもやりました。すみすが有名になったら全部杉田さんのおかげですと言ってねと伝えてあります。忘れてると思います。右が、村松英治監督作品『ひねくれてもポップ』、池田千尋監督『重なり連なる』で主演をつとめた北村美岬さんです。みさみさと呼んでます。自分が高校で映像ワークショップをやったときにアシスタントで 来てくれたのがみさみさでした。おもしろい顔をしていて、映画に向いてると思いました。芝居を見たらとてもよかったので、『重なり連なる』の台本執筆を頼まれたときに、主演をこちらで決めて当て書きをしてもいいですかと先方に聞いて、了解をもらったので、書きました。この日は、写真を撮る相手を探していたすみすと、写真を撮ってくれる人を探していたみさみさを引き合わせたのでした。

 

【Q2】普段はどんな被写体を撮ることが多いですか?

どこかから、どこかに移動する途中に目にしたものを撮ってます。歩きながら撮ることが多いです。被写体はとくに決まってません。光と影を見てます。

 

【Q3】映像と写真それぞれ撮る感覚で違う (または同じ)部分は?

同じなのは、フレームの内と外があることです。内は外で外は内です。違うのは、これを撮りたいと感じたときに立つ場所です。映像のフレームは、たとえるなら罠を仕掛けるのに似てます。フレームを決めた瞬間、そこには何もありません。そこで何かが起きることを確信するか、期待するかしながら、そこにぽんとフレームを置きます。置いた後、獲物がかかるまでと、かかったあとの持続する時間を写すのに最適な場所にカメラを置いて、フレームを切ります。写真は、その撮り手が獲物だと感じるもの、それが他の人から見たら獲物に見えないものであっても、それが罠にかかる瞬間を切り取るのに最適な場所に立ち、フレームを切るのだと思います。つづけていくうちに、この考えも、変わっていくか もしれません。

 

【Q4】杉田さんにとって写真とは?

自然と目がいくものがなんであるのかを気づかせてくれます。何を受け入れて、何を排除しているか、とか。生きてる間、ずっとつづけてく選択の歴史が残ると思ってます。

 

【Q5】さいごにNATURAの魅力とは?

持ち心地がいいです。体格と重みがちょうどよくて、撮らないときも手に持ってました。あと、夜でも立ち止まらずに写真を撮れたらと思ってるのですが、NATURAだとフラッシュをたかなくてもそれができて、写りも気持ちよかったです。八百屋を撮った写真がそれです。

 
 
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